姫路西高校

187 : 名無しさん 2008/06/05 00:29
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バンカル30号長谷川集平のエッセイ

 長崎に住んでいると、年中観光客や修学旅行の群れとすれ違う。
全国の言葉が聞けるし、外国語で道を尋ねられることもある。
 姫路からの修学旅行は、全員目立つ腕章をしていたり、何か独特の
団体行動のなさけない雰囲気が漂っていて、遠くからみてもすぐにわかる。
姿勢の悪いグループがつまらなそうに日暮れの坂を歩いている。ぼくは、
彼らの後をこっそりつけて行くことがある。二百メートルほど黙ってついて
行って、どこかの曲がり角でくるりと帰ってくる、
 ちんちん電車に、声変わりしかけの播州弁がどっと乗ってくれば
「おっちゃんも姫路出身なんやで」と声をかけたくなる。結局何も言わずに
吊り革につかまって揺られている。
 本当に姫路で思春期を過ごした者にしかわからない「独特のなさけない雰囲気」
がぼくにはたまらないのだ。
 その雰囲気はわが身の深くに染みついている。姫路を出た後の人生で、
それがむしろ邪魔だったことの方が多かった。コンプレックスを克服するのに、
ひどく時間がかかった。なぜ大事な時期に子どもたちをいじけさせるような
教育環境しかないのだろう。なぜどんな所でもひとりで胸を張って歩けるように
してやれないのだろう。
 ぼくは姫路から来た子どもたちを、いつしか、ひいきしたくなっている。
ひとりひとり抱きしめたくなっている。自信を持てよ、大きく生きろよ、
と言いたくなっている。
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